資産を増やす行動

【企業型DC加入者必見】リスクゼロで投資を始める方法〜確定拠出年金についてFPがわかりやすく解説!〜

こんにちは。ファイナンシャルプランナーのTABO(@tabosuuuu)です。

最近、お金の勉強に興味を持たれる人が増えていると感じています。

「中田敦彦のYouTube大学(登録者数487万人(2022年9月現在))」や「両学長リベラルアーツ大学(212万人(2022年9月現在))」といった、お金の知識を発信しているYouTubeチャンネルが伸びていることがその証拠です。

お金の勉強に興味を持ち始めると、

  • インデックスファンドへの投資始めてみようかな
  • NISAなら安全かな
  • 最初はiDeCoかな

など、投資に興味を持ち始めると思います。

しかし、

SU

でも元本割れのリスクがあるからなー

と投資を始めることを躊躇してはいないでしょうか。

そんなあなたに、投資の第一歩として「企業型確定拠出年金を見直すこと」をおすすめします。

投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをおすすめする理由は以下の3つです。

  • 実はあなたも既に投資を始めている
  • あなたのお金は減らない(=会社がお金を出してくれるから)
  • リスクをほぼゼロにできる(=60歳を過ぎないと受け取れないから)

今回の記事をご覧いただくことで、

SU

確定拠出年金の見直しならできそうだー

と思っていただけるはずです。

お金のために働かない未来に向かって投資の第一歩を踏み出しましょう!

なお、今回は企業型確定拠出年金の話をしていますが、iDeCo(個人型確定拠出年金)にも関係する話をしていますので、企業型確定拠出年金に加入していない人もぜひご覧ください。

確定拠出年金とは

厚生労働省のデータによると、企業型確定拠出年金(=企業型DC)を導入している企業は、2021年3月末時点で39,081社あり、加入者数は746万9,000人と発表されています。

そのため、多くの人が既に確定拠出年金を始めているのですが、

SU

投資なんてしてるつもりないぞー

という人も多いと思います。

確定拠出年金とは、

  • 毎月会社がお金を拠出してくれて(=出してくれて)
  • そのお金を自分で運用し(=投資し)
  • 運用によって増減したお金を60歳を過ぎてからもらう

というものです。

投資先は、

  • 預金商品:元本は保証されているが利率が低い
  • 債券商品:ローリスク・ローリターン
  • 株式商品:ハイリスク・ハイリターン

などがあり、債券商品や株式商品の中でも

  • 国内
  • 国外

に分かれ、さらに、

  • インデックス(=パッシブ)運用商品:手数料が安くベンチマーク(=日経平均株価のような指標値)に従った運用をする
  • アクティブ運用商品:手数料が高いがインデックス商品を超える成績を目指す

に分かれます。

具体的な商品は確定拠出年金の運用会社によって変わってきますが、

  • 「株式」「債券」
  • 「国内」「国外」
  • 「アクティブ」「パッシブ」

といった区別はどこでも共通の考え方なので、どういった商品があるかはご自身の会社の確定拠出年金の商品一覧を見てみてください。

なお、TABOブログでおすすめしているYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」や「両学長リベラルアーツ大学」で紹介されている運用方法は、外国株式(主に米国)のインデックス投資で私自身も外国株式のインデックス商品を推奨しています。

確定拠出年金のメリット

次に、確定拠出年金のメリットについてお伝えします。

メリットは以下の3つです。

  • 超長期投資のため複利の恩恵を最大限受けられる
  • 運用益に税金がかからない
  • 退職所得控除により受取時にも税金が優遇される

超長期投資のため複利の恩恵を最大限受けられる

「複利」というものを知っていますか?

「複利」とは「利子に対しても利子が付くこと」です。

つまり、100万円の投資に対し3%の利子が付いた場合、1年後には103万円になりますが、さらに1年後に、元本の100万円ではなく103万円に対し利子が付くため、106万円ではなく106万900円になるということです。

そして、さらに1年後には、109万2,727円になるといったように、期間が長くなればなるほど雪だるま式にお金が増えていくことが複利の利点です。

一方、単利は元本に対してしか利子が付かないため、1年後に103万円、2年後に106万円、3年後に109万円といったように、期間が長くなるほどに複利との差は開いていきます。

確定拠出年金は複利です。

ここで、例として、22歳〜60歳までの38年間、毎月2万円の拠出額で外国株式インデックスファンドを買い続けた場合をシミュレーションしてみます。

外国株式インデックスファンドの利回りは3%〜7%程度と言われていますので、より現実的な数字をご理解いただくために3%を用います。

毎月2万円を38年間積み立てると、元金の合計は2万円 × 12ヶ月 × 38年 = 912万円になります。

これを利回り3%で運用すると、1,697万8,586円になります。

出典:楽天証券・積立かんたんシミュレーション

増えたお金は775万8,586円です。

どうでしょうか?複利の力って凄くないですか?

あの相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインが100年以上前に以下の名言を残しています。

複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う

複利の効果を利用して富を得るという考え方は今も昔も変わらぬ真理であることがわかります。

なお、元本保証型の預金商品の利回りは0.001%〜0.005%程度です。

0.005%だとしても毎月2万円を38年間積み立てた912万円は912万8,650円にしかなりません。

いくら元本が保証されていると言っても、ここまで利回りが低いとせっかくの複利の力を全く活かせていないことがよくわかります。

確定拠出年金のデメリットにも捉えられがちな60歳まで引き出せないという点は、強制的に超長期投資をすることになるため、「複利の恩恵を最大限受けられる」ということが確定拠出年金のメリットの1つ目です。

運用益に税金がかからない

通常の株式投資をすると得た運用益に対し20.315%の税金がかかります。

例えば、上記の例で言うと利益の775万8,586円に対し、通常でしたら157万6,157円の税金がかかるということです。

これに対し、確定拠出年金の運用益は非課税のため157万6,157円の税金がかかりません

この税金優遇の面もあり、確定拠出年金で利益の増えない元本保証の商品を買うのはもったいないということをお伝えしています。

一般NISA、つみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)がおすすめの投資として紹介される最大の理由も、企業型確定拠出年金と同様に運用益が非課税であることです。

775万円の利益から157万円も引かれると聞くと非課税のメリットをおわかりいただけるのではないでしょうか。

運用益が非課税である」ということが確定拠出年金のメリット2つ目です。

退職所得控除により受取時にも税金が優遇される

通常、みなさんは額面の給与をそのままもらうことはできません。

所得税や住民税など引かれるものがたくさんあるからです。

引かれる額はざっくり20%です。

所得税や住民税の計算方法は以下の記事で紹介していますので、こちらもご覧いただければと思います。

[所得税]

年末調整と所得税の関係を知ろう

[住民税]

住民税の計算方法を知ろう

確定拠出年金は、受け取り方として以下の3パターンがあります。

  • 退職金としてもらう
  • 年金としてもらう
  • 退職金+年金としてもらう

つまり、「退職金として一括でもらう」か「年金として分けてもらう」か「組み合わせてもらう」かということです。

年金としてもらう際の税金計算方法は複雑なのでここでは紹介しませんが、今回紹介したいのは退職金としてもらう場合の控除についてです。

退職金の税金の計算には「退職所得控除」という控除が発生します。

収入から控除を引いた額が課税所得となり、この課税所得に対し税金がかかります。

つまり、退職金から退職所得控除を引いた額(=退職所得)に対して税金がかかるということです。

退職所得控除の計算式は以下の通りです。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数
20年超800万円 + 70万円 × (勤続年数 ー 20)

20年目までは1年当たり40万円、21年目以上は1年当たり70万円が控除されます。

22歳〜60歳まで38年間働いた場合、退職所得控除額は800万円 + 70万円 × 18年 = 2,060万円

つまり、38年間働いた場合、2,060万円までの退職金でしたら退職所得が0円となるため税金がかからないということです。

さらに、2,060万円を超える退職金がある場合でも、退職所得に計上される際に1/2になるため、例えば、2,500万円の退職金がある場合、退職所得は440万円ではなく、その半分の220万円となり、この220万円に対し税金がかかるということです。

退職所得控除により受取時の税金が優遇される」ということが確定拠出年金のメリット3つ目になります。

投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをすすめる理由

確定拠出年金のメリットをおわかりいただけたと思うので、次はなぜ投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをすすめるかを説明します。

確定拠出年金の見直しをすすめる理由は以下の3つです。

  • 実はあなたも既に投資を始めている
  • あなたのお金は減らない(=会社がお金を出してくれるから)
  • リスクをほぼゼロにできる(=60歳を過ぎないと受け取れないから)

実はあなたも既に投資を始めている

企業型確定拠出年金の加入者数は、2021年3月末時点で746万9,000人です。

そのため、TABOブログをご覧いただいている人の中にも、会社の確定拠出年金に加入している人が多いのではないでしょうか。

確定拠出年金に加入していれば、もし商品を選ばずに元本保証の預金商品に100%配分していたとしても、広い意味では既に投資を始めているということです。

つまり、「投資を始める方法」と謳ってはいますが、自身で気付いていないだけで既に投資を始めている人が大勢いるということです。

そのため、

  • インデックス投資に興味がある
  • 一般NISAやつみたてNISAを始めてみたい

だけど、お金が減るリスクに躊躇して始められていない人にとっては、

確定拠出年金の見直しを行うことで、

  • 株価の日々の値動きに慣れることができ
  • 投資というものがどういうものかを実体験として学ぶことができるため

投資の第一歩として非常におすすめなのです。

そして、投資の第一歩を踏み出すことで、NISAやiDeCoを始めるハードルを大きく下げることができます

実はあなたも既に投資を始めている」ということが投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをおすすめする1つ目の理由です。

あなたのお金は減らない

確定拠出年金によりあなたのお金が減ることはありません

多くの人が投資を始められない理由は大きく以下の2つがあります。

  • 投資するお金がない
  • 値下がりして損することを恐れている

投資するお金がない

企業型確定拠出年金は、会社が投資のお金を拠出して(=払って)くれる場合が多いので、あなたは1円も出さずに投資ができるということです。

投資するお金がないから投資を始められないという理由を見事に解決してくれています。

なお、月の拠出額は最大5万5,000円までとなっており、年次や階級が上がるにつれて拠出額が大きくなる会社が多いと思います。

自身の拠出額を確認してみてください。

値下がりして損をすることを恐れている

人は自身のお金が減ることを強く嫌がるものです。

1,000万円投資したものが半分の500万円に値下がりなんてしたら、いてもたってもいられませんよね。

確定拠出年金で拠出されたお金も、最終的には自身の退職金になるため、値下がりした場合に、自身のお金が減っていると言う見方もできるとは思いますが、まだもらっていないお金が一時的に減ることと、既に持っているお金が減ることの差は大きいのではないでしょうか。

あなたのお金は減らない」ということが投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをおすすめする2つ目の理由です。

リスクをほぼゼロにできる

確定拠出年金は、投資による元本割れのリスクをほぼゼロにすることができます。

理由は「確定拠出年金は60歳を過ぎるまで受け取ることができないから」です。

これをデメリットと捉える人もいますが、実際は最大のメリットでもあります。

株価は日々上がったり下がったりを繰り返しています。

景気が良く右肩上がりに株価が伸びることもあれば、リーマンショックや新型コロナウイルスにより大暴落するときもあります。

投資におけるリスクとは「自身が株を売りたいと思ったときにそれまでに払った額より安くしか売れない」状態を指します。

つまり元本割れするということです。

あなたが20代なのか50代なのかによっても考え方は変わってきますが、確定拠出年金が60歳を過ぎるまで受け取ることができないことを考えると、あなたが20代〜40代のときに株価が大暴落することによるダメージは「ゼロ」と言えます。

なぜならば、株価が大暴落したとしても、その後、10〜20年のうちにほぼ間違いなく株価は回復するからです。

私たちが生まれてから世界は目まぐるしく発展を遂げています。

人間が生きている限り経済は発展します

短期的に株価が大暴落することはあっても、長期的に見ればほぼ確実に株価は伸びていくものなのです。

あなたの会社の確定拠出年金の価格の推移を見てみてください。

特に、外国株式インデックス商品の価格が、長期的に見れば大きく右肩上がりを続けていることが紛れもない事実として見えるはずです。

リスクをほぼゼロにできる」ということが投資の第一歩に確定拠出年金の見直しをおすすめする3つ目の理由です。

確定拠出年金の見直し方

ここまで投資の第一歩として確定拠出年金を見直そうということを説明してきました。

ここからは具体的な見直し方法について説明していきます。

確定拠出年金の見直し方は「配分変更」と「スイッチング」です。

配分変更

配分変更とは名前の通り配分を変更することです。

配分とは、毎月の拠出額が2万円だとした場合に、その2万円で「どの商品」を「何円分」買うかということです。

もし、これまでに配分を決めた記憶がない人は、元本保証の預金商品が100%(2万円)となっているはずです。

預金商品100%の配分を、外国株式インデックス商品に70%(1万4,000円)、国内株式インデックス商品に30%(6,000円)のように配分を変更することを「配分変更」と言います。

つまり、配分変更することで翌月以降に購入する商品を変更できるということです。

スイッチング

スイッチングとは既に保有している商品を売って違う商品を買うことを言います。

確定拠出年金は60歳を過ぎるまで受け取ることができないと説明しましたが、「受け取ることはできませんが、売って、違う商品を買うことはできる」のです。

例えば、これまで運用せずに預金商品に100%投資していた人は、預金商品が100万円分あったとして、100万円分の預金商品を売って100万円分の違う商品(株式や債券等)を買うことができるということです。

もちろん100万円分全てを売るのではなく10万円分だけ売ることもできます。

同様に、100万円分の株式商品を持っている人が、100万円分の株式商品を売って100万円分の預金商品を買うこともできます

確定拠出年金の1番のポイントは、

「『(株式のような)リスクがある商品』→『(預金商品のような)リスクがない商品』へのスイッチング」

で、株価が上がっているときに、株式商品→預金商品にスイッチングすることで、

「利益を確定させることができる」

ということです。

つまり、

  • 40代くらいまでの若いうちはハイリスク・ハイリターンな株式商品に配分の100%を突っ込み
  • 50代を過ぎ受け取る時期が見えてきたときに、株価が上がっていて利益が出ている状態で預金商品にスイッチングする

ことができれば「確実に利益を出すことができる」ということです。

外国株式インデックスファンドは、どんなに株価が下がった場合でも、長くても15年程度の期間があれば下がる前以上の株価に回復してきたという歴史があります。

そのため、

  • 大きくリスクを取れる人は50代になってから利益確定を考えれば良く
  • リスクを取れない人は40代のうちから利益確定を考えれば良いため

あなたが現在20代〜40代であるならば、今このタイミングで確定拠出年金を見直し、ハイリスク・ハイリターンの株式商品に切り替えることによるリスク「限りなくゼロ」だと思いませんか?

1つ注意事項も書いておきます。

これまで預金商品を100%保有していた人が、

SU

預金はもったいない!株式に100%スイッチングだー

と思われるかもしれませんが、スイッチングのタイミングには気を付けてください

日々株価が上下している中で株価が高いときに全額スイッチングしてしまうと、それ以上株価が上がることがなくなってしまいます。

例えば100万円分の商品をスイッチングしたい場合は、毎月数万〜数十万円に分けて定期的に定額をスイッチングすることも検討してください。

このように定期的に定額の株を買うことで株価変動のリスクを下げることを、「ドル・コスト平均法」と言います。

おわりに

今回は投資の第一歩に確定拠出年金を見直そうという話をしてきました。

確定拠出年金とは、

  • 毎月会社がお金を拠出してくれて(=出してくれて)
  • そのお金を自分で運用し(=投資し)
  • 運用によって増減したお金を60歳を過ぎてからもらう

というものです。

確定拠出年金のメリットとして以下の3つを説明しました。

  • 超長期投資のため複利の恩恵を最大限受けられる
  • 運用益に税金がかからない
  • 退職所得控除により受取時にも税金が優遇される

投資の第一歩に確定拠出年金を見直すべき理由として以下の3つを説明しました。

  • 実はあなたも既に投資を始めている
  • あなたのお金は減らない(=会社がお金を出してくれるから)
  • リスクをほぼゼロにできる(=60歳を過ぎないと受け取れないから)

確定拠出年金の見直し方は以下の2つです。

  • 配分変更
  • スイッチング

確定拠出年金は、

  • 会社がお金を拠出してくれるため自身のお金が減ることはなく
  • スイッチングを上手に使うことで確実に利益を出すことができ
  • 日々の株価の値動きにも慣れることができる

ため、まさに投資初心者にうってつけということです。

さらに、2022年の年金法改正により、2022年10月からほとんどの会社員が個人型確定拠出年金(iDeCo)ができるようになったため、企業型確定拠出年金がどういうものかを知っておくと、iDeCoがどういうものかをわかった上で、始める/始めないを考えることができます。

iDeCoについては【社会人2年目でもわかる】iDeCoのことを知って始めるべきか判断できるようになろうの記事で詳しく説明しているのでこちらもぜひご覧ください。

なお、iDeCoは拠出元が会社ではなく自身になるというものですが、iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象になるため、掛金の20%程度の節税をできるようになります。

所得控除の考え方については以下のブログで紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。

お金の知識を付け行動を始めることが「お金のために働かない好きなことをして生きる自由な人生」に繋がります。

これからも一緒に学び、行動していきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた。